大腸がんから肝臓へー転移のしくみ
京都大学大学院の武藤誠教授(遺伝薬理学)らのグループが
がんの中でも、数が多い大腸から肝臓への転移の仕組みを
マウス実験で解明し転移を防ぐ薬を見つけました。
成果は、近く米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載されます。
大腸から肝臓へは、多くの血液が流れ込むため、
がんが転移するケースが多い。
グループは大腸がんを転移させたマウスの肝臓を観察しました。
がん細胞が分泌する「ケモカイン」という蛋白質が、
周辺の組織を破壊する酵素を出す免疫系細胞の一種
「未分化骨髄球」を引き寄せ、転移を促していることを突き止めました。
ケモカインと結合する受容体を持たない遺伝子改変マウスでは
転移が抑制されたため、グループは多発性硬化症の治療を目指して
開発された受容体阻害薬をがんが転移したマウスに投与しました。
その結果、転移が抑えられ、約2倍長生きできることを確認しました。
(記事はお借りしました)