胸水穿刺の方法
胸水穿刺はどのように行なうのでしょうか
胸水の採取は、胸壁の皮膚を通じて注射針を刺す方法で行われます
色や匂いなどの外観や、比重、タンパク量、LDH(乳酸脱水素酵素)
細胞数などの性状を調べます
局所麻酔をした後、肋骨の間から穿刺を行ないます。
穿刺針を入れる際、呼吸を止めます。身体を動かさないように固定し、
咳やくしゃみは我慢します。
検査時間は10~30分ほど
目的が検査だけなら胸水を100ccほど採取してすぐに終了
ですが胸水が大量に溜まっている場合は、
身体への負担を考えてゆっくり抜き取るために時間がかかります
胸水の採取後は穿刺場所をしばらく圧迫して胸水がもれるのをを防ぎ
30分~数時間、ベッドで安静にします
検査結果
胸膜炎や肺炎、肺がん、そのほかの悪性腫瘍などでは
血液が混じって混濁した滲出液が見られます
タンパク質の濃度は高く、また比重も高くなっています。
また、LDH(乳酸脱水素酵素)も高値を示します。
胸水には、臓器から剥がれ落ちた細胞も含まれているので、
肺がんなどが疑われる場合は、引き続いて細胞診などが行われます
一方、心不全や肝硬変、ネフローゼ症候群では
黄色っぽく透明な漏出液が見られ、
低タンパク、低比重となります。
また、LDH(乳酸脱水素酵素)も低値を示しています
合併症には 気胸,肺穿刺による喀血,
胸水を大量に急速に除去した後の再膨張性肺水腫
または低血圧,肋間血管の損傷による血胸,脾臓または
肝臓の穿刺,血管迷走神経性失神などがあります